自己実現で描く
第9話《①課題編》頭にたたき込むための描く読書術

アハアハと笑いながら、恵賀くんは高取くんの寝顔を眺めています。
しばらくして、恵賀くんは声を上げました。
「おい、そろそろ起きろよ!」
高取くんはその声にビクッと身体を反応させるや、両眼の焦点を合わせました。
「おまえ、仕事中に寝るんじゃないよ」と、微笑みながらも恵賀くんは畳みかけてきます。
6年先輩に対しても、ちょいと相手の弱みをつかむだけで、もうタメ口なのです。
高取くんも負けてはいません。
「寝てるんじゃない。ちょっと集中力が欠け、意識が朦朧となって、視野がぼやけてきて、時間の経過がわからなくなっただけだ!」と、寝ていたことを別の表現に変えて反論しました。
そして「俺のせいではない。コイツが悪いんだ!」とやや興奮がちに、デスクの上で開いてた本を見せつけました。
「地球環境保全における企業コンプライアンスのあり方って、こんな高尚なテーマ、おまえにゃわからんだろが!」とあきらかに自慢入りです。
「寝てたくせに......」と恵賀くんは静かに抵抗しましたが、高取くんはそれに応えず「本など読むことぐらい容易いのだが、如何せん頭には内容が全く残らんのだ......」とため息。
高取くんは経営企画室でCSRを担当しているため、書籍に記述された内容を頭にたたき込まなければならない立場なのでした。
「許して欲しかったら、読んだ本の内容を把握できる方法を教えろよ」とリクエストしてくる高取くんに、「このまま教えなかったら、何を許さないのだろうか?」と疑問をよぎらせながら、「それだったこんな方法はいかが?」と恵賀くんは半笑いで立ち向かいました。
つづく
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