自己実現で描く
第9話《②解決編》頭にたたき込むための描く読書術

恵賀くんは、高取くんが音を上げている本を取り上げて、パラパラとめくりました。速読するかのように、眼球が上下へと激しく動きます。
高取くんは興味深く、その様子を眺めています。
しばらくして恵賀くんが「ねぇ、一体全体ここに書かれている何がわかんないの?」と問いかけると、「たとえば地球の温暖化。どうしてそうなっちゃうのかって、一応自分では理解できているんだけど、知識のない人たちにわからせるとなると難しくってね」と高取くんは答えました。
「では落ち着いて、ボクの説明を参考にしてね」と恵賀くんは、別に慌ててもいない高取くんに告げました。そしてペンを取り出し、紙をデスクに拡げ、高取くんに視線を投げました。
「この本の中で、一番大きな存在って何?」
「そりゃ、我が故郷、地球だよ」
「では地球を紙の真ん中に描く。その時に注意しなければならないことは、絵に凝らない。本の内容の理解がメインだから、サクッと簡単に描けばいいんだ。ほらね」
恵賀くんはクルリとペンを操り、地球らしき絵を紙面に描きました。
さらに恵賀くんは、「温室効果ガスを地球のまわりに配置して......」と続けます。
「我々の活動から吐き出されるCO2などが温室効果ガスとして、太陽から受ける日射エネルギーをため込み、その結果、地表に熱が......」
「そうやって絵にして理解する方法も考えたさ。ま、一つの方法としてね......」と言いながら高取くんは立ち上がり、恵賀くんの背中にまわって描かれる絵に見入っています。
「はい。これで出来上がり」と恵賀くんは、地球温暖化のメカニズムを一枚の絵に表したあと、「ね、絵にしながら本の内容をまとめると、中身を把握しやすいよね。では、さらば」と立ち去ろうとしました。
「おい、おい」と高取くんは慌てて、恵賀くんに追いすがります。
さらなる教えを請うために......。
つづく
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